Fact Sheet • 2023-10-07 ~ 2025-10-03

パレスチナ
ジェノサイドの2年

ジェノサイドの背景:ひと目で分かる占領・アパルトヘイト

このページに書いてあるたくさんの数字は、ただの数字ではなく1人の命だったり誰かの家だったりします。想像もできないような大きな数字ですが、その1つひとつの数字の背景にある物語や人々についてどうか想いをはせてみてください。

ヨルダン川西岸

  • 2023年は、10月7日以前の時点で既にヨルダン川西岸では史上最も多くの死者が記録された年だった。
  • 1,047人のパレスチナ人がヨルダン川西岸でイスラエル軍と入植者によって殺害された。[2025年10月1日時点]
  • 入植者によるパレスチナ人とその建物に対する攻撃は2025年のみで757件に上り、2024年と比べて13%増加している。[2025年7月時点]
  • 2025年1月、イスラエルは「鉄の壁」と名付けられた軍事作戦を開始し、ヨルダン川西岸で3万人のパレスチナ人を強制的に追放した。
  • 2,787人以上のパレスチナ人がイスラエル軍と入植者の攻撃によって負傷した。[2025年1月以降]

土地の没収 [2025]

  • 2023年10月7日以降、パレスチナの土地の52km²が没収され、過去20年以上で最多となる。(そのうち2024年は46km²)[2025年3月時点]
    • 2025年9月、イスラエル当局はジット及びファラタ(カルキリヤ県)、テル(ナブルス県)にあるパレスチナの土地 0.46km²を「国有地」として押収した。
  • 70万人以上のユダヤ教徒の入植者が東エルサレムを含む占領下のヨルダン川西岸の300以上の違法入植地に居住している。

住居の破壊 [2023~2025.9]

  • 東エルサレムを含むヨルダン川西岸では4,231棟以上の建物が破壊され、これにより8,204人以上のパレスチナ人が住居を失った。
  • 2009年以降、合計で1万3,383棟以上のパレスチナ人の建造物が破壊されており、この数字には住居や商業施設、その他の建物が含まれる。破壊によって住居を失った人々は2万1,388人以上にのぼる。

パレスチナ人の人質

  • イスラエルの拘束下にあるパレスチナ人は1,550人の子どもを含む1万9,000人以上
  • ガザからは2,662人以上(「不法戦闘員」として分類され拘束されており、実際の人数はさらに多いと推定されている。)[2025年9月時点]
  • ジェノサイド期間中、イスラエルの拘束下で77人以上のパレスチナ人が死亡し、そのうち48人がガザからの人質だった。
  • 360人の子どもが人質にされており2016年以来最多。そのうち147人が行政拘束。(起訴や裁判なし)
  • 軍事裁判所で拘束されているパレスチナ人の子どもは500〜700 人にのぼり、イスラエルはこれを組織的に行う唯一の国である。
*「囚人」とは、正当な権限によって拘束されている者を指す。2024年の国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見によれば、イスラエルによるヨルダン川西岸およびガザ地区の占領は、それ自体が違法な行為であり、即時かつ無条件に終了されなければならない。したがってイスラエルの占領には正当な権限はなく、パレスチナ人に対する支配の手段として、パレスチナ人を人質に取っている敵対勢力として見なされなければならない。

ガザのジェノサイド

死者数 [2025年10月1日時点]

ジェノサイドによる総死者数の推定

19万8,675〜99万3,375人

ジェノサイド前の人口の8.6〜43.2%相当

推定方法について

崩壊したインフラ、集団墓地、瓦礫の下に埋もれた行方不明者、アクセスの遮断などにより、正確な数字を把握することは不可能。そのため総死者数に関する公式な統計は存在しない。歴史的に、ジェノサイドの犠牲者の多くは、医療や食料供給システム、基本的なインフラの破壊などの間接的手段によって命を失う。Lancet誌の文献に基づくと、直接的な死者数に3-15倍の係数をかけることで総死者数を推定することが可能となる。

最小の直接死

ガザ保健省の報告 [2025年10月1日時点]

負傷者

16万8,938人以上

直接死したパレスチナ人

6万6,225人以上

直接死した子ども

1万9,424人以上

平均52分に1人

*これらは病院で記録された、または家族から直接報告された死亡者で、瓦礫の下、集団墓地、間接的要因による死亡者は含まれていない。

第三者による推計

Richard Hil博士とGideon Polya博士による法医学的分析では、2025年4月時点でのガザの実際の死者数は68万人と推定されており、これは一般に報告されている数字の12-14倍に相当する。

爆撃と破壊

  • ガザに投下された爆弾10万トン以上にのぼり、第二次世界大戦中のドレスデン、ハンブルク、ロンドンへの爆撃の合計を超える。[2025年5月時点]
    • これらの爆弾は合計で、広島原爆の7倍爆発力を放った。
  • イスラエル軍は、ガザ市およびジャバリアで1日あたり約300戸の住居を無人ロボットブルドーザーで破壊している。[2025年9月時点]
  • ジェノサイド開始以降、推定25万棟あったガザの建物78%が損壊または破壊されている。[2025年10月2日時点]
  • 瓦礫6,100万トンにのぼり、現状のままでは除去に何十年もかかる。[2025年10月2日時点]
  • 家きん農場93%以上破壊され、残る農場も完全に稼働停止した。
    • 数千にも及ぶ広大な農地が計画的な飢餓政策の一環としてブルドーザーで破壊され、これは国連のジェノサイド定義に該当する。

避難・強制移動

  • ジェノサイド開始以降、190万人が少なくとも1回、10回またはそれ以上の強制移動を強いられている。

2025年7月時点で

  • ガザのパレスチナ人は地区面積の15%未満の55 km²以下に閉じ込められている。
  • 210万人以上のパレスチナ人が、グアンタナモ湾の拘束スペース以下の狭い範囲に押し込められている。

医療危機

2025年9月時点

1,670人の医療従事者が死亡

  • 361人医療従事者がイスラエルによって拘束されている。(現在も拘束されているかは不明)
  • ガザの病院38施設プライマリ・ケアセンター157施設すべて攻撃された。
    • 22の病院が完全に機能停止し、16の病院は部分的に稼働している。

2025年9月10日時点で

  • 精神疾患を持つ48万5,000人が治療を受けられていない。(うち2万人は緊急対応が必要)
  • 病気の62%は急性呼吸器感染症(煙や過密の影響)
  • 病気の37%は急性水様性下痢
  • 15万件以上皮膚疾患(かいせん、とびひなど)[2023年10月以降]

ジャーナリストとメディア

2023年10月7日以降

270人以上のジャーナリスト

及びメディア関係者がガザで殺害された

ガザでのジェノサイドでは、記録史上もっとも多くのジャーナリストが犠牲となった。これまでにガザで殺害されたジャーナリストの数は、南北戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、旧ユーゴスラビア紛争、アフガニスタン戦争をすべて合わせた数を上回る。

教育への影響

  • 66万人以上学生がすでに2学年連続で教育を失い、現在3年目に入っている。
  • ガザの教育施設97%がイスラエルの攻撃で損傷。
    • そのうち91%が機能回復のための大規模修復または全面再建を要する。[2025年7月時点]

消された家族

  • 2,700家族のパレスチナ人家庭がイスラエルによって完全に抹消された。これは家族全員が殺害され市民登録簿から削除されたことを意味する。[2025年5月時点]

子どもたち

2025年9月4日時点で

  • 孤児: 5万6,320人
  • 負傷した子ども: 4万176人
  • 教育を受けられない子ども: 91万4,102人
  • 食糧を得られない子ども: 120万4,102人
  • 海外への医療避難を必要とする子ども: 4,912人

12,000

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

0

.
2022
2021
2020
2019
世界
2023年10月 〜
2024年2月
ガザ
ガザでわずか4か月間に殺害された子どもは世界中の全紛争4年間に殺害された子どもの総数を上回る

飢餓

2025年9月時点で

深刻な食料不安

198万人(ガザの推定人口210万人の約94.3%)

飢餓・貧困・死亡

64万1,000人

IPCフェーズ5 [大惨事・飢饉]

極度な食料不足・深刻な栄養失調

114万人

IPCフェーズ4 [緊急]

食料摂取の不足・栄養失調の増加

19万8,000人

IPCフェーズ3 [危機]

餓死による死者

大人

293人

子ども

147人

合わせて

440人

2023年10月7日以降に殺害された援助職員540人

※IPC(統合食料安全保障段階分類)は、国連が支援する世界的な飢饉監視基準。フェーズ5は最高レベルで、すでに人々が飢餓で命を落としていることを意味する。

行方不明者 瓦礫の下の人々

インフラの崩壊や救助機材の不足により正確な推定は困難を極める。
各機関の推定:

行方不明者

8,000〜1万1,000人

主に女性と子ども [国連 - 2025年]

行方不明者

1万3,000人以上

瓦礫の下または集団墓地 [Euro-Med Human Rights Monitor - 2025年]

子どもの行方不明者

1万7,000〜2万1,000人

[Save the Children - 2025年]

イスラエル側

  • イスラエル人の死者 1,964人 [2025年4月時点]
    この数には、イスラエルとレバノンのレジスタンスファイターとの交戦による死者や誤射、ハンニバル指令による死者が含まれる。
  • 負傷者 8,730人 [2025年3月時点]

アメリカによる軍事支援

  • 2023年10月7日以降の総支援額及び軍事販売額:少なくとも515億ドル以上 [2025年5月時点]
  • 年間軍事支援額:2018年10月から2028年9月までの10年間協定に基づきイスラエルが受け取る金額は年間で38億ドル以上

日本の加担

  • 日本に住む人の年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の投資先 [2025年3月時点]:

    イスラエル国債

    2,344億円

    パレスチナ人の虐殺 民族浄化に関わる企業株式

    8,758億円

    合計

    11,102億円

  • イスラエルによる占領、ジェノサイド、中東諸国への侵略行為において重要な役割を負うF-35戦闘機に関わる日本企業:
    • IHI(部品製造)
    • 三菱電機(部品製造)イスラエルのF-35にも関与する可能性あり
    • 三菱重工(組み立て)イスラエルのF-35にも関与する可能性あり
  • ファナック
    • ガザのジェノサイドで日々用いられている155mm砲弾武器製造、イスラエル軍への納入
    • イスラエルや米英などの軍需企業にロボットを輸出
    • 6月末、国連特別報告者アルバネーゼ氏が公表した報告書ではジェノサイドを含むイスラエルのパレスチナ人に対する犯罪行為に何らかのかたちで責任を負っているおよそ50社の名前が挙げられ、ファナック社も唯一の日本企業として言及された。

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